2025年4月2日水曜日

一人ですべてやる意味はあるの?

 どうも。最近、「そういえば…」と、Youtubeにあげたココロノユライの視聴データを見たのですが、大体の人が動画を94%まで(ほぼ最後まで)見ているとのことでした。Youtubeのおすすめが需要をピンポイントで突いており関心しています。時計塔プロジェクトの吉岡です。

 といいつつ、1か月ぶりにアナリティクスをみるくらい僕自身がそこまで数字に頓着しなくなりつつありますが、現代においてその感性はデメリットになりうるので難しいところだなと思ってます。ただ、そんな中で僕の作品を見てくれる方は、きっと同じ感性なのかなとも思ったり。
 難しい潮流ではありますが、僕自身は数字で感動を左右される人間にならないよう心掛けていきます(自戒)

 そんなわけで本題に行きましょう。


『一人ですべてやる意味はあるの?』

 変化の話かと思いきや前回のお話です。こういうパターンもあるぞ。備えていけ。
 時計塔プロジェクトをしていくにあたって、避けては通れない「一人」という要素。お手伝いさんすらいないガチソロプロジェクトを運営していくなかで、どういった理由で一人でやっているのか、また、どうやって成り立たせているかについて書いていければと思います。

 そもそもなんで一人で始めたかの経緯をさっくりお話すると、プロジェクト発足当時、組んでいたバンドが解散いたしまして、このあとの創作活動どうするかなと悩んだ結果、どうせ新しいことをするのであれば惜しみなくやりたいことをやってみようということで、ずっとやっていた音楽に加えて、空き時間に楽しんでいた小説とゲームを加えて始めたのがこのプロジェクトとなります。
 この三つは僕としては表現方法の違いでしかなかったのですが、いろんな人と話していくなかでこの感覚は理解してもらえないと薄々感づいていました。なので、バンドと違って簡単に協力してくれるような人は現れないだろうと思いつつ…いつかやっていれば一緒にやりたいと思ってくれる人がいるはず!と始めてそのまま今に至ります。なんでや。

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 とはいえ、プロジェクトを一人でやっていくにあたって悪いことばかりではありません。一般的な部分に加えて、このプロジェクトにおける一人やるメリット・デメリットを挙げていきたいと思います。

 まずはメリット。これはどこでもそうだとは思いますが、やりたいことができるというのはやはり大きいです。時計塔プロジェクトを始めたのも前述の通り、やりたいことを惜しみなくやるためなので、それを叶えられるという点で一人なのは大きなメリットです。(一人でも叶えられることがやりたいこと、という点も大きい気がしますね)

 あとこれは自分でも助かるなとという部分ですが、スケジュールの自由度があるというのはなかなかのメリットかなと。
 僕はみなさん知っての通りプロジェクト外でもいろいろな草鞋を履いている関係もあって、スケジュール調整が針の穴を通すような時が多々あります。そんな激動のスケジュールでも隙間時間に制作をいれたり、逆にほかの締め切りが多いときは後回しにしたり等、世捨て人になりたい一方で社会性も捨てがたい僕にとって、このスケジュールの自由というのはとてもやりやすいメリットなのです。

 他に自分ならではの視点かなと思うものでいうと、納得いくまで作り直せるというのもメリットです。僕は自分の制作物は気に入らないと最初から作り直す癖があるので(コンペで作る楽曲とかも実はめっちゃ作り直して正解ににじり寄ってます)、個人ですべての工程をやるとなったときは、そこも自由にやり直せるのがめちゃくちゃいいところかなと。
 どちらかといえば僕はめっちゃ気遣いしいなので、人とやるとやり直したくても絶対に言えない気がしています。逆の立場だと、人のやりたいことに沿う形でやったのにやり直しって結構残念に思ってしまうなぁとも思うので、改めて難しいところだなぁと。

 やり直しについて書いててふと思い出したのですが、幼少の頃、おばあちゃん家においてあったレゴで家とか武器とか要塞みたいなものを作ったりしてたんですけど、下のいとこに結構壊されてたんですよね。でも僕としてはそれでも全然よくて、むしろその作品で得た積み方やつなぎ方を使って他のものを作りたいみたいな、強くてニューゲーム的な感じで新しいものを作るのが好きでした。きっとやり直し癖や自分の作ったもので得たものを使ってもっと良いものを作るみたいなマインドはここらへんからすでに培われていたのかもしれません。

 メリットが長くなってしまいました。他の細かいことは動画でお話してるのでそこで聴いてもらえると嬉しいです。

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    続いてデメリット。これも誰もが思うことを最初に挙げますが、一つひとつの制作がとても重いということですね。どの工程も僕が担当するので、チームで400mリレーをやってるところに一人で乗り込んでるみたいなもので、なかなか無茶なことが多々あります。
 とはいえ、僕自身作業を圧縮したり省略することに余念がないこともあって、なんとか周回遅れにはならないくらいでなんとか食らいついています。少し前の話ですが、事務仕事を新人に教えたとき、吉岡さんのPC操作アクションゲーム並に早いですねと引かれたこともありました。その時は「おいおい…このスピードじゃないとここではやっていけないぜ?」などとは言えず「早くやってるフリしてるだけですよ」という謎の回答をしました。

 あとは、ここは一長一短な部分ではありますが、現状では金銭面でのデメリットも大きいです。このプロジェクトの収益は基本的にプラットフォーム周りの整理や配信サイト周り、サーバー維持などのランニングコスト系に優先的にあてがわせて頂いているのですが、この維持がなかなかどうして難しかったりするわけです。「現状維持とは常に少し進むことを意味」すると誰かが言っていた気がしますが言いえて妙とはこのことだなと。
 これに関しては、このプロジェクト自体のバランスも起因していますかね。自己の価値と社会的な価値とのシーソーゲームはどこにでも、誰にでもあると思いますが、こと時計塔プロジェクトに関しては自己の価値の比重がめっちゃ重いので…まぁ…ね、そういうことです。でも"吉岡大地"本人としてはしっかりとバランスをとっているのでご安心ください。お仕事頑張ってます。

 あともう一つデメリットをあげるとするならば、方針を間違ったときにすぐに止められない(気付けない)というのがデメリットかなと。雁首揃えた大人たちでも間違えることがあるんだから、一人だとなおさらやばい。客観的であろうとはしていますが、結局は主観の中での客観なので、もし「こいつやっとんなぁ…」となったらDMでもコメントでもテレパシーでも矢文でも伝書鳩でもいいので止めてください。
 とはいえ、時計塔プロジェクトはそもそもが「制作する作品」それ自体を指針にしているので、作品が変わるということは、僕自身の感性の変化も意味するので、そういった意味では性質的に方針が大きく変わることはないのかなとは思っています。

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 そんなわけで、なぜ一人でやっているのかというところがなんとなく分かっていただけたかなと思います。まずデメリットを超えるメリットがあるのは言わずものがなですが、デメリットも工夫次第でなんとかなってるのも大きいのかなと思います。
 それは僕自身がそういう環境づくりを頑張っているところもありますが、これを見てくれているみなさんがとても寛容で、放任主義的にやらせてもらえているおかげもあるのかなと思っています。徐行運転でも待ってくれていてありがとうございます。

 一人で大変なこともありますが、だからこそここまで続いている側面もあるので、引き続き、自分を楽しませられる良い作品を作っていきたいと思います。

 それではまた、亡霊横丁のアトリエで会いましょう。

時計塔プロジェクト 吉岡
公式サイト( http://clocktower-project.com/ )
Twitter( @Clocktower_PJ )