ここのところ僕の声の音量や音質を細かく調整しているのですがなかなか難しく…。とはいえ少しずつは改善していっているのかなとは思っています。どうでしょう。
あとはあれですね、僕自身言いたいことがあふれるとつい早口になってしまうので、そこも直していなかくてはいけないですね。頭の回転が遅くなれば口もゆったりになるので、仕事終わりか寝起きに撮るのがベストかもしれません。本当にそれはベストか…?
『オリジナリティは見つけるもの?育てるもの?』
僕は作詞から始め、作曲、編曲をし始めたという遍歴があるのですが、作詞を始めた当時、創作初心者だった自分は創作といいつつも既存作品のジェネリック版のような、テーマや語彙は同じだけど製法が違うみたいなものを量産している時期がありました。
といいつつも、自分が作ったものが未熟でそういった「補助輪」ありきで成立しているものという自覚はありまして、どこが補助輪なのか、そうでないのかという分析といいますか、切り分けをしっかりしていました。
ちなみに、それらを続けながら、補助輪を少しずつ外しながら制作を続け、最終的に補助輪がなくても自走できたなと感じた作品が「ワンダーランド」という作品でした。
アリスの世界観をモチーフにしつつも、それが補助輪ではなく、ワンダーランドに迷い込んだ主人公の自分と世界のあやふやな境界線を自分なりの表現を持って描けたことで、ある種対等な表現といいますか、モチーフを乗りこなしつつ世界観と表現が相乗効果をもって一つになったと初めて思えた創作がこの作品だったのです。
先ほど「補助輪」と表現したジェネリック要素ですが、それらをどうやって判断していたのかを振り返ってみると、「違和感」という言葉に置き換えられるのかな思いました。
創作を始めた当初の自分の作品でも、真似している部分だけどうにも不自然な感じがして、しっくりこないことが多く違和感がありました。だからこそ、その違和感を取り除いていく過程で自ずと自分だけの表現、オリジナリティが見えてきました。
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とまぁ、以上が僕自身のオリジナリティのお話です。そしてここからはオリジナリティそのものについて考えていくのですが、そもそもオリジナリティというのは唯一無二や人と違う、というようなニュアンスで使われることも多いと思いますが、自分は制作をしていくなかで本当にそれってオリジナルか?と疑問に思う場面が時々ありました。
例えば誰かと似ている部分や共通する要素の中にも自分らしさといえるものが含まれているのではないかと。もちろん、共通するものがありつつ、それから外れた一部分をオリジナリティと称することもできますが、結局それは要素の一部。本人自身や作品自体全てにオリジナリティがあるものはほとんど存在しえないのかなと思います。(そもそも連綿と繋がれているものなので、突然歴史上に現れた種族(媒体)でもない限りはその性質から逃れられないのかもしれません)
そう考えていくうちに、世間で言われているオリジナリティというのはどちらかというと"独創性がある"、"他人と被らない"という、結果を元にしたある種の生存戦略であり、手法の類のものなのではないかなと僕は思い至りました。
そうなると、きっと世間一般と僕自身のオリジナリティの解釈に齟齬があることが分かってきます。僕自身は独自性、"自分だけ"や"他人と違う"という承認欲求に近いもの、創作者として生き残るためだけの手法を排した、作品に必要なものだけを置いていく、その集合体(作品)を良いと思える"感性"そのものが自分らしさでありオリジナリティなんじゃないかと思ったわけです。言語化が難しすぎるな。
つまりは、人と違うことがオリジナリティではなく、自分の中にあるものこそオリジナリティなのではないか、というところでしょうか。たとえ結果として誰かと似た表現になったとしても、それが自分なりの問いや感性から生まれたものなら、それは十分にオリジナルなのではないかと思うわけです。(もちろん、作品として社会に出す以上、まったく同じに見えるものは配慮が必要ですけれども…!これも難しいですね!)
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そんなことを考えながら創作をしていくと、だんだん人との違いを気にしなくなって参りまして、最近は本当に移りゆく街を見守りゴンゴン鐘を鳴らす時計塔のような感性になりつつあります。
ただ、そんな感性も他人の影響はあれど違和感を取り除いてできたオリジナルのもの。後生大切にしつつ、これからも僕だけの人生を歩んで行きたいと思います。
それではまた次回、亡霊横丁のアトリエでお会いしましょう。
時計塔プロジェクト 吉岡
公式サイト( http://clocktower-project.com/ )
Twitter( @Clocktower_PJ )
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