どうも。最近は確定していないFF9リメイクの情報をいつでも探しています。Youtube動画、Xのポスト、こんなところにいるはずもないのに。時計塔プロジェクトの吉岡です。
今回は時計塔プロジェクト発足時に発表した『秒針は夢をみる』と、作品のテーマの根幹である「叶わない夢」について書いていこうと思います。
『秒針は夢をみる』について
このゲームはRPGツクール2000というツールで作成された見下ろし型のアドベンチャーゲームになります。記憶を失った少女が少年と共に時計塔へ赴き、失った記憶を取り戻すと共に、少女が抱えていた残酷な真実を目の当たりにする。そんなお話でござます。
制作の経緯や苦労話などは今回の動画や以前投稿した大変だった制作の話をしたときに語っているのでそちらを見ていただけると。
作品のDLはこちらから(FreeDL):https://www.clocktower-project.com/g-1
この作品の大きなテーマとして、「夢」というものがあります。これは叶えたいもの、という意味での夢です。
同じタイミングで『ウェンディシンドローム』という楽曲も発表したのですが、この曲は夢を諦めるその瞬間にまみえる現実逃避のような希望について書いた作品で、『秒針は夢をみる』もそんな耐え難い瞬間から始まる物語になります。この作品の主人公も、そんな苦悩を抱えている1人、というわけです。この描写や設定は時計塔プロジェクトを発足するまえの自分と重なる部分がありますね。
「夢が叶わない」というのは夢を追っている人には相当な恐怖で、本気でやればやるほどその痛みも強いものになると思います。プロジェクト計画時(作品制作時)の自分は、創作自体が好きで、だからこそ時計塔プロジェクトを立ち上げることにわくわくもあったのですが、それと同時に、このさき同じように創作をし続けられるのだろうか、自分にはそれを叶えるだけの才能が本当にあるのかという悩みに苛まれていました。
元々バンドマンとして(今も形は特殊ですがバンドマンではありますが)、いろいろな挫折を経験していくなかで、自分に才能はあるのかという問いかけはどうしても避けては通れないものでした。もちろん、制作する作品は間違いないものだという確信があるからこそ、それでも続けてこれているのですが、運やタイミングの要素はあれど、ずっと結果が出ないことの原因…というより改善をしていかなければならないと思うことも多くあり、それは大体が自分に才能があればクリアできるものばかりでした。
と、ここで少しだけ話が変わるんですけど、僕は昔から自分の人生は自分だけのもので、そこで体験するものは自分にしか得られないものだと思っています。話変わり過ぎか。
それで昔、つれづれ推進委員会で書いた「純粋フィルム」という作品のあとがきにも同じようなことを書いたのですが、同じ場所で同じ体験をしたとしても、そこに本人の人生や感覚などが乗っかり、自分の中だけに蓄積される唯一無二の経験になるわけです。
さて話を戻しまして、僕は才能への疑問や挫折という経験を経て、最終的にそれすらも表現の一部にし、作品に昇華してやろうと思ったわけです。失敗を失敗として描き、積み上げたものが全て無駄だと分かった瞬間になにが残るのか、そういった、僕だけの体験を表現しようとこの『秒針は夢をみる』を制作しました。
そうして成功も失敗すらも創作の糧にしていくことで、自分はもう怖いものはなくなりました。それでも、やはり不安になったり、実力が及ばず悔しくなったりしますが、それもいつかの創作のネタになる。そうすることで、自分は天国も地獄も全てひっくるめて創作を骨の髄まで味わい尽くそうと、最終的に時計塔プロジェクトを立ち上げるに至りました。
以上が『秒針は夢をみる』のテーマである夢のお話。
僕はなんだかんだ現実逃避を主軸にした作品をつくることが多いのですが、どれも直接的でなくとも現実の香りがする作品になってしまいます。それはきっと、こういった僕自身の創作の姿勢の現れなのかもしれませんね。
そんなわけで、もし興味が湧いた方はちょっとでもプレイしていただけたらと思います。謎解きもあるので、苦手な方、ストーリーだけ楽しみたい方はこのブログの中に攻略情報を書いた記事があるのでそれを参考に進めてみてもよいのかもしれません。
その先で、あなたが見ている夢について考えてみてもらえると嬉しいです。
それではまた次回、亡霊横丁でお会いしましょう。
時計塔プロジェクト 吉岡
公式サイト( http://clocktower-project.com/ )
Twitter( @Clocktower_PJ )